日時:2018年12月24日
場所:深セン市・前海観一「芸境生活館」 ほか
開催イベント:「静課堂」の創業180年記念展示会
日本に現存する唯一の錫器工芸店「静課堂」の創業180年記念展示会が、去る昨年12月17日に深セン市で開催されました。
展示会では、特別展示や特別講座、講演会なども行われ、大盛況のうちに幕を閉じました。
「静課堂」の美しい錫器品の数々は、世界一周の旅の途中、中国大陸にも立ち寄りました。
北京、杭州、成都と回り、中国最後の展覧会場として選ばれたのが、ここ深セン市だったのです。
千匠文化芸術は、中国大陸での展示会の集大成とも言えるこの展示会に、パートナーとして協力しました。
「静課堂」は、日本を代表する古都・京都市の街中に静かな佇まいを見せる錫器工芸店です。
その作風は簡潔でありながら格調高く、まさに「雅」の一言に尽きます。
180年の歴史に培われた製法で製作された錫、銅、銀製の茶器や酒器、香炉は、一目で「静課堂」のものと分かる、まさに世界で唯一無二の存在であると言えましょう。
ここに展示された数々の作品は、今回の展示会のために製作されたオリジナルの作品ばかりです。
まさに「いぶし銀」という言葉がぴったりの、落ち着いた上品さが伝わってきます。
「静課堂」工芸家にして七代目店主の山中源兵衛先生は、中国大陸での展示会に確かな手ごたえを感じている様子でした。
先生は講演会において、展示会に駆け付けた愛好家や聴衆の静課堂作品に対する理解と提起に深い感動を覚えていました。
展示会は、その土地々々における生活との出会いの場でもあります。
先生は、2019年にはより中国の生活様式に寄り添った茶器や食器を製作される事でしょう。
千匠文化芸術は、東方世界の匠たちが抱く美学の推進者として、そしてその伝達者として、現代の生活と伝統芸術の融合を追及し続けています。
「静課堂」創業180年記念展示会へのパートナーシップ協力では、それを十分に体現できたと言えるのではないでしょうか。
創立180周年を記念して世界一周の旅を続ける京都の老舗錫器工芸店「静課堂」は、中国大陸4会場で開かれた展示会を無事成功させ、次の国へと向かいました。今回の展示会には、中国側の代表として千匠文化が全面協力させて頂きました。
今は展示会の模様を振り返りながら、「静課堂」の旅の無事を祈り、中国大陸から見送りたいと思います。
今回の「静課堂」展示会世界サーキットは、昨年11月から12月にかけて、北京を皮切りに、杭州、成都、深センの順で開催されました。
世界的にもあまり例を見ない「錫器」の芸術に、多くの人々が感嘆の声を上げていました。広大な中国大陸、各都市の文化は様々なれど、芸術を愛する気持ちは同じであったようです。
「静課堂」で手掛ける日用の錫器は、それぞれに模様が異なります。
錫で出来たカップや急須などの日用品のそれぞれに、美しい紋様が施されているのです。
杉目、石目、槌目…50種類以上もの金槌をそれぞれの用途に使い分け、錫器の上に施された紋様は、この上ない気品を醸し出しています。
「静課堂」の錫器は、99%の錫に1%の銀を配合して作られています。そのため経年劣化に強く、艶やかな銀色の輝きをいつまでも保ち続けることができるのです。
「静課堂」は一旦中国を離れますが、中国の方にも使いやすい錫器を追及していくことを、静課堂七代目店主・山中源兵衛氏は表していました。
次に静課堂が中国を訪れるとき、山中氏はきっと、更に斬新で我々の想像を超える芸術的な錫器を携えてくることでしょう。
その時までしばしお別れです。千匠文化は、再び静課堂の錫器に会える日を心待ちにしています。一路平安!